恋してセンセイ。
病室で繰り広げられているお祖母様と千紘の口論。
お祖母様に堂々と意見を言ったのは
千紘が初めてだろう。
そんな彼も、一歩も引く気はなく立ち向かっていく。
「 …本当に綺帆が家を出ても、いいんですね? 」
千紘の問いに、迷うことなくお祖母様は答えた。
「 出て行ってくれた方が助かるわ。花城の名に傷がついては困るもの 」
「 それが本音ですね?…わかりました」
そう言うとあたしの方を振り向いて、
笑顔を見せた。
「 綺帆、帰ろう 」
「 えっ…、でも…… 」