恋してセンセイ。
どうして優しくできるの…?
大切な家族を奪ったあたしに…
どうして笑えるの…?
ある程度必要な荷物を詰め込んで、急いで部屋を出て階段を降りる。
「 綺帆様…!失礼ですが…、今からどちらへ行かれるのですか? 」
左手に大きなバック、右手にキャリーケース、そして格好は制服のまま。
不思議に思うのは当然だ。
「 五平…ごめんなさいっ… 」
目一杯頭を下げる。
「 どうなさいましたか…!おやめください。頭をお上げください 」
「 あたしのせいで…っ、田村さんが…!五平の大切な…弟さんだったのに… 」