恋してセンセイ。
「 重いでしょ?家まで車で送るよ 」
「 ううん、大丈夫。すぐそこだからっ!おじさんまた会いに来てもいい? 」
「 いつでもおいで。ほぼ毎日この市場で野菜を出してるから 」
おじさんに大きく手を振って、その場を後にしようとした時
「 そういえば名前はなんていうの? 」
少し離れた距離から聞こえたおじさんの声
そこまで届くように大きな声で
「……綺帆!! 」
と、叫んだ。
「 …良い名前だ!綺帆、またおいで!」
おじさんの叫ぶ声に、つい笑いが堪えきれず大きく手を振って歩き出した。