恋してセンセイ。




「 …はい、どなたでしょうか? 」


「 あっ、綺帆の……いやっ、花城さんのクラスの担任の工藤と言います 」


あぁ〜!と言って小さく微笑んだ顔は

綺帆そっくりだった。


「 先生でしたか…!どうぞ、座ってください 」


そばにあったイスに座る。


「 面談できなくてすみませんでした…。ずっと待ってらしたのに… 」


「 いえいえ!でもお元気そうでなによりです。綺帆も……あっ、花城さんも喜んでました 」


母親の前なのに、つい綺帆と言ってしまう


これはマジやばいって…


なるべく焦りを見せないように振る舞っている今の自分は、俳優並みの演技だ。



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