恋してセンセイ。




「 私ができなかったことを綺帆には、思う存分楽しんでもらいたくて。10代が1番何も考えずに楽しめるのよって知って欲しくて…何も言わず黙って見守ってたんです 」


「 はい 」


「 学校に行ったって聞いた時はとても嬉しかった。しばらくして綺帆が学校の話題を家のメイドたちと話してるのを偶然聞いて、新しい環境で笑えてるんだと知った時は本当に嬉しくて… 」


うっすらと涙を浮かべながら話し続ける。


綺帆が思ってる以上に、

綺帆のことをしっかり見ていて

心配していたんだ。


言葉に表さなくても心の中では常に
娘を気遣い、見守っていた。


何をしても綺帆に怒らなかったのは


幼い頃から後継者として厳しく育てられて何1つ自由のなかった綺帆の母親の1つの愛情だったんだろう…



俺自身、母親といた記憶はあまりないが

そんな俺でも感じられた


娘と母の愛を____



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