恋してセンセイ。
「 母親らしいことを1度もしたことなくて、こうやって娘の担任に会ったのも初めてよ。今日会えてよかったです 」
「 こちらこそ話も聞けてよかったです」
「 今綺帆は家を出て、どこかで寝泊まりしてるって聞いてるわ。多分、あなたのところにいるのよね?…綺帆のこと、よろしくお願いしますね 」
「 ……はい、任せてください 」
母親の勘というのか、
すべてを知っているように感じた。
「 さっ、暗い話はやめて綺帆が剥いていた果物でも食べましょう! 」
近くに置いてある果物を取ろうと手を伸ばした時、急に表情が固まった。
「 どうしました? 」
その目線の先には果物ではなく、すぐそばに置いてあった袋を見つめている。
「 …は…っ……高…山、…徹…… 」