恋してセンセイ。




「 唯一、こんな地味で何の取り柄もないおじさんを好きになってくれた人がいたんだよ。すごい美人で綺麗な人… 」


昔のことを思い出しているのか、
少し切ない顔で話し始めた。


そして、楽しかった時も辛かった時も
すべての記憶を思い出しているかのようにフッと微笑んだ。


「 その人のこと、今でも好き…? 」


「 んーー…、好きかって聞かれたら、今はわからないけど忘れられない人かな?」


それって、好きって意味だよ。おじさん…


この話を聞く限り、お母さんとお父さんは別れたくて別れたんじゃない。


きっと何か事情があったんだ。


お祖母様が何か仕組んだのかもしれない…


ある程度だが、だいたいのことが
想像できた。



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