恋してセンセイ。




「 あたし、お父さんとお母さんの子でよかった。今が今までで1番幸せ…っ!!」


「 ……綺帆っ…… 」


誰からも愛されてないと思ってたあの頃、


田村さんがいなくなってから
身内に誰1人味方はいないだと思った。


でもお母さんはちゃんとあたしのことを
見てくれていた。


影でずっと支えてくれていたんだ。


そして、お父さんは何で会いに来てくれないんだろうって思ってた。


家で1人いる時、お父さんがいたら…って何千回思っただろう。


会ったことはなかったけど、
お父さんなんて大っ嫌いだ!

そう思ってた。


でもあたし以上に何十年もの間、ずっと
1人だったのはお父さんだったんだね。


きっと寂しかったはずなのに…


だから今度はあたしが、
そばにいてあげなきゃ。

そう思ったんだ。



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