恋してセンセイ。




「 この日を待ってた…! 」


「 あんなでかい声で " 千紘 " はやばいだろ。今は先生って呼べよ 」


周りを見渡しながら気遣う千紘と
その隣で笑いを堪えきれない翠。


今までずーっと千紘って呼んでたから

今さら " 先生 " って呼ぶなんて
無理だ。


「 千紘、あたしとも写真撮ってよ!
先生と生徒としては撮ったことないし 」


スーツ姿の千紘と制服姿のあたし


今しか撮れない貴重な瞬間。


「 写真くらい撮ろうと思えば、いつでも撮れるだろ 」


「 いつも家にいるときじゃん。こういう時くらいしか外で堂々と写真撮ったりできないよ!…ねっ、お願い…! 」


あまり乗り気じゃない千紘を説得する。


数秒後、あたしの願いが通じたのか、
千紘が微笑んだ。



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