恋してセンセイ。




そして春、3月


卒業式の日を迎えた。


担任の千紘の口から生徒の名前が次々と呼ばれていく。


「 花城 綺帆 」


教師として呼ばれる最後の名前。


舞台に上がって校長先生から卒業証書を受け取る。


「 卒業おめでとう 」


小さな声で校長先生が言う。


「 ありがとうございます 」


笑顔で返して舞台を降りて行く。


3学年の先生たちが座る前を通ると、みんなが笑顔で1人1人生徒を見送る。


その中で千紘と目が合った。


" おめでとう "


微笑んだ顔はそう言ってるような気がした。



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