Dragon's Dogma ～数多の伝説に埋もれる一片の物語～

　巨大な翼の魔物は、嘗て無いほど苦しみ悶え、そして、苛立っていた。
　元来、斯くの如き矮小な輩など一息で石榑と化してくれよう。だが、我が喉には忌々しき鉄塊が突き刺さり、もう石化の息を吐くことは叶わぬ。その喉元にしがみつく小さき者は、鉄塊で尚も喉を抉ろうとする。また、少しばかり遠方では別の小さき者が目に障る。牙を剥いて飛び掛れば、更に遠くへ逃げ失せる。
　思えば、暫し遡りし刻、竜を崇める醜き矮小な者との縁が事の由縁であったか。奴の妖しに依り、我は自由を喪った。彼の者は人語で欠けし世を救済せんと語りし。