今夜、あなたの胸で……《完全版》
マスコミって簡単にそう言うけれど、街へ出ればどこを見ても琉生のポスターを目にするし、テレビをつければ琉生を見ない日はない。
「今夜泊めてくれよ」
「はあ?」
そんな今大人気のアイドルである琉生がここにいるなんてバレたら──
「困る」
「何で?」
「彼氏いるし」
そう、わたしには付き合って半年の彼氏がいる。
それなのに、いくら幼馴染みとはいえ、男の人を泊めるなんてできないよ。
琉生と視線を合わせるのが怖くて俯いたままそう言うと、みしっとソファーの軋む音が響いてきて、気付いたら目の前に琉生が立っていた。
「今夜泊めてくれよ」
「はあ?」
そんな今大人気のアイドルである琉生がここにいるなんてバレたら──
「困る」
「何で?」
「彼氏いるし」
そう、わたしには付き合って半年の彼氏がいる。
それなのに、いくら幼馴染みとはいえ、男の人を泊めるなんてできないよ。
琉生と視線を合わせるのが怖くて俯いたままそう言うと、みしっとソファーの軋む音が響いてきて、気付いたら目の前に琉生が立っていた。