今夜、あなたの胸で……《完全版》
琉生の信じられない行動や今のこの態度に納得がいかなくて、



「うそつきっ!」



込み上げてくる涙を必死に堪えながら、ついそう叫んでしまった。


その瞬間琉生は後ろからわたしの顔を覗き込んできた。


その表情は吃驚したように目を見開いていて。



「彩未?」



戸惑いの声を発した。



女と会ってきたんでしょ?


浮気しているの?


わたしのこと……嫌いになったの?



訊きたいことは山ほどある。


だけど、そのあとの言葉を聞きたくなくて問い詰めることもできない。


そんなことを考えていると、視界がだんだん歪んできて、気付いたらテーブルの上にぽたぽたと涙がこぼれていた。
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