あの日ぼくらが信じた物
暫くして───────



「あきらくん、寒くない? ねぇあきらくぅん。……寝ちゃったの?」


 みっちゃんがそう言ってくっ付いてきたけど、まだ起きてぼくの様子を窺ってるかも知れない父の事を考慮して、ぼくは寝た振りを決め込むことにした。

折角の作戦成功を台無しにしない為だ。



  ヂヂヂィィィィィ……



 するとみっちゃんは寝袋のサイドジッパーを開けた、そしてぼくのも。


「じゃんじゃじゃーん、合体!」


 みっちゃんはそう独りごちながら2人の寝袋を繋いだ。ぼくらは今回、みっちゃんパパお奨めの寝袋を購入していて、それはつまりみっちゃんちのとお揃いってことで……。

 サイドジッパーを開けると布団のようになるのは知っていたけど、寝袋同士を連結させる機能が有るなんて。


< 118 / 236 >

この作品をシェア

pagetop