あの日ぼくらが信じた物
「あら光代。丁度ジュースでも持って行こうかと思ってたのよ。ちょっと待ってね?」


 ウチの冷蔵庫の3倍は有るんじゃないかと思われるソレからジュースのビンを出すみっちゃんママ。外国語で埋め尽くされたラベルと、見たことも無い形をしたビンが高級感を醸し出している。


「うわっ、うまそうなブドウジュース。うちは有ってもミカンジュースだもんな」

「あきら! 余計なこと言わないのっ!」


 後頭部をはたかれながらもみっちゃんの後に付いてアルバムを探す。


「有った有った! これこれ。あきらくん、見て?」

「そんなの引っ張り出してどうするのよぉ」


 みっちゃんママの言葉をよそにページをめくり出したみっちゃん。これがお父さん、いやみっちゃんパパか! 目が大きいのと少し下がった薄い眉がそっくりだ。


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