あの日ぼくらが信じた物
「あきらくん。違うこと考えてたでしょ、今」
「え? い、いや全然」
「私ね、薄目開けて見ちゃったの。あきらくん、私の胸を見てたでしょ」
「そ、そそんな訳無いだろ? やだなぁ、心外だなぁ」
ぼくはそっぽを向いて反論する。
「嘘っ。あきらくん、誤魔化すときはいつだって私から目を逸らすもん。
あきらくんが余計なこと考えてるから石が働かないのよ!」
「み、みっちゃんだってぼくを窺ったりして、気を散らしてただろうっ?」
中三になった今、学校帰りに寄るのが恒例になっている神社で、ぼくらは少し険悪なムードになっていた。普段から勉強熱心なみっちゃんとぼくとじゃ当然通えるレベルの学校が違う。
この春からは別々の高校へ行くことが決まっている今の状況も、2人の間を微妙な空気にしてしまう原因かも知れない。
「あきらくん」
「な、なんだよ」
「そんなに気になるなら、少しだけ触ってもいいわよ?」
「え? い、いや全然」
「私ね、薄目開けて見ちゃったの。あきらくん、私の胸を見てたでしょ」
「そ、そそんな訳無いだろ? やだなぁ、心外だなぁ」
ぼくはそっぽを向いて反論する。
「嘘っ。あきらくん、誤魔化すときはいつだって私から目を逸らすもん。
あきらくんが余計なこと考えてるから石が働かないのよ!」
「み、みっちゃんだってぼくを窺ったりして、気を散らしてただろうっ?」
中三になった今、学校帰りに寄るのが恒例になっている神社で、ぼくらは少し険悪なムードになっていた。普段から勉強熱心なみっちゃんとぼくとじゃ当然通えるレベルの学校が違う。
この春からは別々の高校へ行くことが決まっている今の状況も、2人の間を微妙な空気にしてしまう原因かも知れない。
「あきらくん」
「な、なんだよ」
「そんなに気になるなら、少しだけ触ってもいいわよ?」