あの日ぼくらが信じた物
 春休み前とは言ってもまだ風は肌寒い。みっちゃんもブラウスの上からレースのカーディガンを羽織っていた。



  ゴクッ



 ぼくの生唾を飲み込む音が神社の境内中に響き渡った(気がした)



  ポフッ



 そしてぼくの手のひらはカーディガンとブラウス越しにみっちゃんの胸を捕らえる。

 か、固いっ!

 初めて触ったみっちゃんの胸は何故か固かった。小6の時に行ったキャンプのあの夜、ぼくの二の腕に当たっていた感触とはまるで雲泥の差だ。

大人になると乳房も張って、オッパイは固くなってしまうのかも知れないなんて、その時は思ったんだ。



小6の夏休み───────



「うわっ! 凄い凄い、みっちゃん来て来て!」


「ほんとね。崖の上にテント張るんだわっ!」


 ついにぼくら2家族は互いにテントを購入し、キャンプに迄連れ立ってやって来るようになっていた。


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