お姫様は月に恋をする

「誰だろう・・・」

ベットからゆっくりと立ち上がり男にそっと近寄ろうとしたら
ガシャッ
ベットの上にあったカップを落としてしまった、かなり大きな音男が目を覚ましていないかと前を向きなおると。

「ふぁぁあ、椅子で寝るのは辛いわぁ」

緊張でノワールの体が強張る。
そんなノワールを余所目に男は立ち上がり、竃に火を点け出す。
テキパキと話すこともなく、パンを切りチーズを並べ。

「あの・・えっと」

しばしその光景を眺めていたノワールが声を掛ける。

「あ?チーズ嫌いか?好き嫌いすっと大きくなれねーよ、背も胸もな」

そんな事言われたのは初めてだ、好き嫌いとかじゃなく見た目の事、胸の事。
ノワールは顔を赤くして怒った。

「なっ、無礼です!貴方はっ・・・むね・・」

自分でその言葉を発するのも恥ずかしいのだろうか、言葉を濁す。




< 13 / 46 >

この作品をシェア

pagetop