お姫様は月に恋をする
「誰だろう・・・」
ベットからゆっくりと立ち上がり男にそっと近寄ろうとしたら
ガシャッ
ベットの上にあったカップを落としてしまった、かなり大きな音男が目を覚ましていないかと前を向きなおると。
「ふぁぁあ、椅子で寝るのは辛いわぁ」
緊張でノワールの体が強張る。
そんなノワールを余所目に男は立ち上がり、竃に火を点け出す。
テキパキと話すこともなく、パンを切りチーズを並べ。
「あの・・えっと」
しばしその光景を眺めていたノワールが声を掛ける。
「あ?チーズ嫌いか?好き嫌いすっと大きくなれねーよ、背も胸もな」
そんな事言われたのは初めてだ、好き嫌いとかじゃなく見た目の事、胸の事。
ノワールは顔を赤くして怒った。
「なっ、無礼です!貴方はっ・・・むね・・」
自分でその言葉を発するのも恥ずかしいのだろうか、言葉を濁す。