お姫様は月に恋をする

「村でその名を口にするな、殺されるぞ」

その瞬間、思い出した
家の事を、フルールの事
全身に鳥肌がたった、肩を抱えてガクガクと震える、あの夜の恐怖を裏切りを月の光を。

涙が止まらなく溢れている。

「シュガー邸は昨晩、燃やされた犯人はしらねぇ、まぁ、あの極悪非道のシュガー郷だ誰も調べねぇさ」

男は机に戻り食事の準備を続けはじめた。

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