お姫様は月に恋をする

「お、おぅ、そんなにデコピン痛かったか!?」

堂々としていた男が急にオロオロとしはじめた瞬間、ノワールは船長に抱き付いたそして泣いた、目の前の優しさに縋った、そして自分の定めを理解しようとした。

「大丈夫だ、お前は強い、もうすぐ海だそこで温かい風呂と飯を用意してやる、そしたら話してくれ、お前の事を俺は仲間と俺の事を話さそう」

船長は優しく微笑み、ノワールをぎゅっと抱き締め、剥がした。

「鼻水を服に付けるのはやめてくれ、汚ねぇ」

パッチーン
ノワールの小さい手が船長の頬を叩いた。
感動のシーンが終わる音だ。



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