お姫様は月に恋をする

「船長、貴方は海賊なの?」

「んー?あー、トトから聞いたのか?」

ポリポリと頭を掻きながら、空を見上げる船長、最初に伝えなかった事に後ろめたさがありそつだ。
トトは言ってはいけなかったのかと思い、ワタワタしている。

「船員っ、僕、知らなくて!新しい仲間だと思ったんです!」

「大丈夫だ、どーせ説明しなきゃいけねーんだ」

手をヒラヒラさせながら笑う船長、笑い事ではないっという顔をしているノワール。
そんな二人を見て。

「でも・・・すみません・・」

申し訳なさそうに下を向き、モジモジと自分の足で靴を踏む。
こんな状況を見せられてはノワールも悪い事を言ったんじゃないのかと負い目を感じた。

「トト、謝るな、俺が笑ってんだ、お前も笑え」

「船長・・・・」


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