お姫様は月に恋をする

「んふふっ、よろしくねぇ、ノアール私はニーナよ?みんな姐さんってよぶわ」

絶世の美女とはまさにこの事だろうか、形のいい耳から靴まで宝石ばかりだ、その宝石に負けないくらい輝くニーナ、ノアールは豊満な胸元に輝く大きなルビーに目がいった。

どれも美しく高価そうな宝石だが、そのルビーだけは他の石とさ違う気がした。

「ん?あぁ、このルビーのペンダント?素敵でしょ?」

胸元を見ている事に気付いたニーナはルビーを指で摩りながら妖艶な目でノアールを見た。

「ふふ、これね、船長の瞳と同じ色をしているのよ?俺だと思えって出会った時に船長がくれたの」

そうか、船長の吸い込まれそう淡く深い赤色の目を取り出したような石なんだとノアールは思った。
それと共に少し羨ましいと思った。

また誰かの手を叩く音が鳴る。





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