無題
入口近くには、ぬいぐるみやお菓子の入った大きな機械があった。

ボタンがついている。

押してみるが何も起こらない。

よくわからない機械だ。

奥に進むと、楽しそうなゲームが沢山あった。

父さんと同じくらいの年齢の男の人が、銃をもって遊ぶゲームをやっていた。

覗くとどうやら、画面に映るモンスターを打つゲームのようだった。

その男の人は正直あまり上手ではなかった。

しばらく見ていると、男の人はモンスターに倒されてしまった。

「ああー!!くそ!なんだよあのくそ強えモンスター!!!!!」

父さんがゲームで負けた時と少し似ていて、なんだか笑ってしまった。

「…あ?なんだ坊主?やりたいのか?」

男の人が俺に気付くとそう言った。

俺は頷く。

「待たせて悪いな。ん?お前財布はないのか?」

なんだ、このゲームには金が必要なのか…。

何も持たず家を飛び出した俺はもちろん金など持っていなかった。

男の人は、じゃあ優しいおっちゃんが金を出してやろう、と言ってお金を機械に投入してくれた。

そして俺はゲームを始めた。
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