SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
俺の本心・一ノ瀬side
【 D.S.P本部会議室 】
俺は考えあぐねていた。
「 あ~。 なんかジワッてなって、グワッてなって、行ってしまうんだ。 しるしが呼ぶんだ。 あたしよくわからないんだ。どうしてなんだ 」
目の前で訳の分からない説明をする少女、美空の処遇をだ。
「 おい、美空。もう少しちゃんと……理路整然とだなあ、」
美空は話すのが不得意だ。
ちゃんと事情を聞こうにも会話が成立しない。
「 んもう~、いいじゃないですかあ。ミクはぁ、人助けをしたんですよお?」
ぬっと顔を出すのは黒木。
「 人助けは結構だが、見境なく力を使われては困るんだ。 D.S.Pはあくまで、対PSY能力者専門だ。 悪党とはいえ、あまり一般人に力を使うべきじゃない 」
「 もう~、そんな怖い顔しなくたってえ、なあ~ミク~?」
黒木と美空が顔を合わせる。
俺はハア~ッとため息をついた。