SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「 何も追い出す訳ではありません。ただ、美空が上に目を付けられず、且つ、自身の役目を果たそうとするならば、わたしたちが問題を改善し、サポートしてはと言っているんです 」
「……サポート…… 」
「 要はテクニックです。力の抑制を覚えさせる事はもちろんですが……例えば目くらましのように、視覚を欺く方法や技術、知恵などをこれから美空に学ばせてはどうでしょう 」
「 どういうこと?」
美空が首を傾ける。
一樹はポンポンと美空の頭に手をやると、俺にいくつかの案を提示した。
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「……ふう~、」
一人になった俺は煙草の煙を吐きながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。
外では美空を取り囲んで、D.S.Pの連中が何やら楽しそうに話している。
……あまつか みく、か。
不思議な少女だ。口下手で無表情にも関わらず何故か人を惹きつける。
あの黒木のデレデレぶりはなんだ、気持ちわりい。
ポーカーフェースだった一樹も、この頃はよく表情を見せる。
Blue dollのタトゥーにびびってた隊員たちも、美空を見るたびニタニタと……
なんなんだ、まったく。
——グビッ
コーヒーを一口流し込む。