SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
社会に降り立つ天使
序
ヒュッ……ガッ! ガッ! ゴスッ!
ガガガガッ! トンッ……ガシッ!
ズザザザ……ヒュンッ……ドスッ!!
あちこちから繰り出される蹴りやパンチを、あたしは防御し受け止め、相手にかえす。
「……ハアッ、ハッ、 」
隊員たちの息が乱れる。
動きもだんだん鈍くなった。
[ 打つ前に打とうと思うな ]
[ 重心は常に中心に ]
[ 力を入れるのは、最後の一瞬にのみ ]
トレーナーである武田のじーさんの言葉を思い出し、あたしは脱力したように動きを止める。
それをチャンスとばかりに隊員たちは一気に狙い打ってきた。
"ヒュッ! ガッ! ガガガ!!"
でも、どの攻撃もあたしには効かない。
だって、あたしには——、
"ボディ接着バリアー"があるから。