SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「 あ~。たしかに、D.S.Pでは使えない力だ 」
……間違っては、ない。
D.S.Pでは、しるしは反応しないから。
「……使えないって、まだ15才だろ。長い目で見りゃ、特訓次第でどーにかなったんじゃねえのか?」
「……まだ、 15才……」
……そういえば、あたし、本当はいくつだっけ。
ふと、そんな思いが頭をよぎる。
まだ15才って、あたし……
「 D.S.Pはまだ人材が不足してんだろ? それをなんでまだ伸びる可能性のある15才をクビにしたんだか…… 」
……あたし、
……一体、 いつまで……
「 いつまで、15才なんだろう 」
「……は? 」
「 加齢停止能力か……」
「 加齢、停止……?」
やっかいな能力が働いたものだ。
これは行使した時点の年齢が、何年月日が流れようと、永久的に持続されるらしい。
他のPSYと違って、自分の意思とは関係なく、常に効果を発揮し続ける……
「 あたしはこれからも、ずっとずっと15才、
永遠に……15才……」
——ビュウウ!
生暖かい風が髪の毛を散らした。
朝の雑音が耳に戻り、あたしはハッと我にかえる。