SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
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「 あのさぁ、自分の家忘れるってどーゆう事⁉︎」
少年がツンとした顔で聞いてくる。
「 あ~。ごめん 」
あたしはさっきの少年と一緒に、マンションまでの道を歩いていた。
住所を聞いた少年が「行くよ!」と、何故かあたしを誘導して
今、隣を歩いてる……
「 別にいーけど。通り道、だし 」
「 通り道?」
「 あそこはうちが管理してるだけ。住んでる所は別なの悪い?」
「……べつに 」
「 時々、様子を見に来てた。そしたら今日おねーさんが入りこんでて…… 」
「……ごめん 」
少年は街灯がつき始めた住宅街をさっそうと歩く。
あたしは少年の横顔をチラチラ見ていた。
少年はあれからずっとツンツンしてる。
……もしかして、怒ってる?
「 ごめん 」
とりあえず、もう一度あやまってみる。
少年はチラッとこっちを見ると、静かにそこに立ち止まった。
「………… 」
「……少年?」
「 この辺じゃない? 家 」
「……あ、」
すぐそこに家のマンションが見えた。
あの屋敷から割と近かったみたいだ。
「……じゃ、オレはもう少し先だから 」
少年がクルッと方向を変える。
「 あ、ありがとう、少年 」
すると、
「…………」
少年は振り返ってあたしを見つめた。
「……少年?」
「……湧人 」
「……え?」
「 オレの名前。 橘 湧人(たちばなゆうと)。そっちは? 」
……あ、
「 天使 、美空 」
「 ふ~ん。また、見に来れば?」
「……え?」
「 ハンカチの木 」
そう言うと、少年、橘湧人は行ってしまった。
ツンとした背中を向けながら……
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「 あのさぁ、自分の家忘れるってどーゆう事⁉︎」
少年がツンとした顔で聞いてくる。
「 あ~。ごめん 」
あたしはさっきの少年と一緒に、マンションまでの道を歩いていた。
住所を聞いた少年が「行くよ!」と、何故かあたしを誘導して
今、隣を歩いてる……
「 別にいーけど。通り道、だし 」
「 通り道?」
「 あそこはうちが管理してるだけ。住んでる所は別なの悪い?」
「……べつに 」
「 時々、様子を見に来てた。そしたら今日おねーさんが入りこんでて…… 」
「……ごめん 」
少年は街灯がつき始めた住宅街をさっそうと歩く。
あたしは少年の横顔をチラチラ見ていた。
少年はあれからずっとツンツンしてる。
……もしかして、怒ってる?
「 ごめん 」
とりあえず、もう一度あやまってみる。
少年はチラッとこっちを見ると、静かにそこに立ち止まった。
「………… 」
「……少年?」
「 この辺じゃない? 家 」
「……あ、」
すぐそこに家のマンションが見えた。
あの屋敷から割と近かったみたいだ。
「……じゃ、オレはもう少し先だから 」
少年がクルッと方向を変える。
「 あ、ありがとう、少年 」
すると、
「…………」
少年は振り返ってあたしを見つめた。
「……少年?」
「……湧人 」
「……え?」
「 オレの名前。 橘 湧人(たちばなゆうと)。そっちは? 」
……あ、
「 天使 、美空 」
「 ふ~ん。また、見に来れば?」
「……え?」
「 ハンカチの木 」
そう言うと、少年、橘湧人は行ってしまった。
ツンとした背中を向けながら……