SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
●━━━━━━【 事件簿 】━━━━━━●

     
あちこちに停められた大きなバイク。

トンネルの中には頭の色がカラフルな、派手な感じの少年たち。

少年たちは何かを取り囲むように不敵な笑みを浮かべている。


"……バキッ! ゴスッ!"


鈍い音がトンネルに響いた。

輪の中心には息を乱してうずくまる傷だらけの少年と、傍らには泣きじゃくる一人の少女。


「 いやあ~っ!!」


鉄パイプを持った金髪の少年が少女の腕を引っぱっている。


「 やめろ! 女には手を出すなっ!」

「うるせーっ!」

——ガッ!

腹を蹴られ、踏みつけられる少年。


「……ぐあっ!」


そんな少年の前で金髪少年は少女の上にまたがり、乱暴にブラウスのボタンを引きちぎった。


「 きゃあああーっ!!」


甲高い少女の叫び声……
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