SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

「おい、こいつか? あまのじゃくっつーのは?」


小暮があたしに聞いてくる。


「 ううん、違うよ。湧人は子どもで大人で銀色なんだ 」


「……美空、なに言ってっかわかんねーぞ?」


「たまに言葉おかしいよなぁ?」


……?

玉ちゃんが自分の電話を取り出して、あたしのと何かやっている。


……またか。


湧人、透、真希、奈津も同じようにやっていた。

でも、あたしが話ベタでメールも出来ないのを知ってるから、透、真希、奈津はメールはもちろん電話だって今までしてきた事はない。

連絡してくるのは黒木、ユリ、そして湧人の三人に限られていた。

もっとも、メールなんて今日初めて受け取ったけど……

柳と小暮も何かやって、やっと手元に返される。



「……ほれ、ワシらのも入れておいたぞ。何かあったら電話せい。 ……まさか電話のかけ方ぐらいは知っとるだろう?」


「……たぶん 」


あたしは首を傾けた。
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