SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
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「……ん、」


目を開けると真っ白な天井が目に入った。


……ここは……


あたしの部屋の、寝室だ。


「……ミクッ!!」


しわがれた声を出し、黒木があたしの手をにぎった。


「……黒木……」

「……よかった……」


力が抜けたように黒木はベッドにうなだれた。


「「 美空っ!!」」


ユリと一樹がバタバタと駆け寄る。


「 何ともありませんか!」
「 もう美空! 心配したんだから!」


二人とも張り詰めた顔であたしの様子を見ている。


「……あ~、 ……えっと、」


いろいろ思い出しながら、あたしはぐぐっと起き上がった。

ユリがあたしの背中を支えてくれる。


「……あたし……」


視線を動かし部屋を見回す。

いつの間にか夜が明けて、カーテンの隙間から明るい日差しが漏れている。


" グガ~!!"


大きなイビキ。

下を見ると、黒木が頭をもたれて眠っていた。


「安心して寝ちゃったわね、誠さん。今までずっと美空に張り付いて治療してたから…… 」


「……そう、だったんだ 」


……ごめん、黒木。

また、いっぱい力を使わせてしまった。



「……でも、本当にどういう事よ。一樹くんの記憶のゴミを取り払って、その上、能力自体の性能をレベルアップさせただなんて……。 そんな神業的な事が本当にできるの?」


ユリは信じられないといった顔をする。
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