SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


こんなにも激しい次々生まれる憎悪の念。

先の悲しさも入り混じり、それはさらに増幅した……


——ビリ!


服を破いて腕を出す。

左腕に残る忌まわしい烙印。

幾何学的な模様のそれは、あたしもまた、Blue dollの一員だったという確かな証拠でもあった。


あたしはっ! ……あたしはっ!!


どす黒いものに呑まれていた。


——バンッ!

瞑想部屋を出て二階へおりる。


……なんでっ……


なんでこんなものが残ってる? 何の為に残してた? 自分への戒め? 死んだみんなを忘れないように?


そんなのどうだっていい!!


「 許さない 」


共有リビングルーム奥のキッチンに足を進める。


——チャリ……


飾られていた包丁の一つを手に取った。


「許さない許さない許さない……」


呪文のように繰り返す。


「許さない許さない許さない許さない許さない!」


……許さないっ!!


あいつらなんか! Blue dollなんか! あたしなんか!!


このタトゥーと一緒に——


「全部消えてしまえばいいっ!!!!」


腕に包丁を振り下ろす。


——ガッ!


「 ! 」


寸前で動きを止められた。
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