SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
そこには黒い翼をはためかせ、法衣に身を包んだ少年が、空からあたしを見下ろしていた。
黒髪の間から見える、その目は燃えるように赤い……
「これからどうすっかなぁ……」
少年は困ったように頭をかくと、“ファサッ”と翼を閉じ、あたしの前に降り立った。
……? この声、どこかで……
「 ん? オレ? オレはあの時、おまえの中に入った黒い宝玉!」
「……ほう、ぎょく……」
何か思い出そうとあたしは首を傾ける。
すると今度は遠くから光る何かが飛んで来た。
——ヒュウン……
それは星のようにまたたく美しい光の玉たち
空のあちこちから、まるで流れ星のように、こちらに向かって飛んでくる。
赤、青、みどり、白、黄色、オレンジ、むらさき……
それらは明るい空でもまばゆいほどに輝いていた。
————ヒュンッ!!