SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
あっという間に光たちは少年の前に集まった。
《 こらっ! 伯耆坊! まったく、おまえは勝手な事ばかりしおって!》
低い声が響きわたる。
轟くような声に、足元の小石がカタカタ震えた。
《 何をしたか分かっておるのか!》
《 一歩間違ったらおまえだってどうなっていたか知れんのだぞ!》
《 まったく、無茶なことを!》
光の玉たちがそれぞれの声色で喋り出す。
……あ。
その光景に、あたしは思い出した。
殴られて、死にそうで、そしたら光の玉が飛んで来て、今みたいに喋って……