SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「みくびらねえぞ?」
「……え?」
「覚えてるか? 前にミクがオレに言った言葉。ほら、タトゥー消しに病院行ったろ? その帰りに……」
「……あ、」
あたしは、いつかの森林公園での事を思い出した。
「ぶっ飛んだぜぇ~。んで、魂ギュッとつかまれた。ホント、なんて強えやつなんだってよぉ~ 」
言いながら黒木は目を細める。
「オレはおまえを信じてる。この先、どんな感情にのまれたとしても、コレに負けないって言った、あの時のミクを信じてる」
「……黒木……」
「だから、これからも闘おうぜ? オレらはD.S.Pで。ミクはしるしの役目の為に。立ち向かう気持ちは一緒だぜ!」
「うん!」
微笑む黒木。
……ああ、やっといつもと同じ黒木……
その笑顔に、あたしもニコッと微笑むと、何故か黒木が目を見開く……
「……えっ⁉︎ え! え! ……え~っ⁉︎」
穴が開くほどじーっとじーっと見られてる。
「……わ、……笑った? わ、わ、わ、……笑ったあ?」