SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
ヒロカズはESP能力者だ。
その能力は高く、あたしが得意な“探査” はもちろん、他にも聴力、嗅覚、味覚を使った能力。透視や予知、赤外線や電波までも見る能力を持っていた。
「アイツ、幽霊どころか、魔物が出るってゆ~んだぜ? 魔物ってナンダ? 悪魔か? 死神か?
まったく、コレばっかりはヒロカズには不利だな。Aランクもラクじゃねえ……」
「……うん、」
基本的にESPは、使える能力の数とその強さにより、力のランク分けがなされる。
それは比較的この能力者の数が多いのが理由だった。
ESPは人並み外れた第六感。
ただ、第六感だけなら多かれ少なかれ誰でもが持っているし、それがない人間はいない。
虫の知らせ、人の視線を感じる、電話しようと思った相手から電話がくる、それらは全て第六感に含まれる。
ESP能力者は、第六感が常人より強く、感覚能力が異常に発達した者たちなのだ。
ランクは上から A>B>C>D
ヒロカズは文句なしのAランク。
あたしは不安定が付きものだから、DからCをいったりきたり……
ちなみに、Aランクをも遥かに凌ぐのが “ ESPマスター ” と呼ばれる者だ。
Blue dollでは、まさにあたしがソレだった。