SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
こっちの様子などおかまいなしに少年は続ける。
「オレな、おまえと融合して、しるしをつけたんだよ。そしたら、なんか暴走してな……。 強い力どころか、今は逆におまえの力が弱くなっちまったって訳 」
あたしは訳が分からなかった。
一体、なんの話をしているのだろう。
そもそも、天狗って……
あれは伝説上のものじゃ……
「……いや、弱くなったっていうか、不安定っていうか、よく分からないんだ 」
混乱するあたしを前に、天狗と名乗る少年も首を傾ける。
《 こら伯耆坊! おまえは相変わらず雑な男だ。もっとうまく説明できぬのか!》
《まったくだ!》
赤い玉と青い玉が光を強める。
そこへ白い玉がやわらかな色をかぶせた。