SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「……?」
あたしは首を傾ける。
……えっと……
頭の中で若の言葉をまとめてみた。
カタキの友達。住む世界が違う。
極道。一般人ちがう。裏社会。
恐れられ、嫌悪。悪者。悪魔。
危険。親父たちとは関わるな……
————関わるな……?
「いやだ!」
「……?」
「あたし、玉ちゃんの友達だから、これからも関わる」
ハッキリと、若を見上げてそう言った。
「……美空。オレの話をちゃんと聞いていないだろう?」
「聞いてる。でも違う。玉ちゃん悪魔じゃない。あたし、そういうのは分かる」
「……何を、言っている?」
「いいか悪いかは分かる。勘が働くんだ。ビビビって」
「……ビ⁉︎ ……んんっ、身に危険が及ぶかもしれないんだぞ!」
「危険が来たら、やっつける」
「……は⁉︎」
若は一気に表情を崩した。
「……お前、全然分かっていないだろう?」
「うん!」
「…………」
若はそのまま押し黙る。
すると、
「ブハハハハ! お前の負けだな、凌駕」
ガラッと突然引き戸が開いた。