SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「 無理やり得た力っつーのは、どうしてもマイナスに働いちまう。欲にまみれた人間の思惑が絡んでんだ、当然だろう? 

……あん時、オレを信じろなんて言ったけど、本当はいちかばちかだった。

おまえのマイナスエネルギーとオレのプラスエネルギー、ぶつかり合ったらどうなるか、まして死にかけの弱った体に入ったりしてさ。

……ははっ、今でもどーなってんのか分かんねえ。 けどオレ、融合して良かったと思ってる! よく分かんねーけどよ、おまえ見てるとワクワクするんだ!」


「……ワク、ワク?」


「 ん~、何かが始まる予感みたいな? あ~、よく分かんねえ。分かんねえ事ばっかりだ 」


笑いながら伯耆坊は息を吐く。


「……まあ、弱い力でも、どの力が使えるのかは……おまえがもとの世界に戻ってみねえと分かんねえんだけどな 」


……?


「……もとの世界? 」


すると、伯耆坊が驚いた顔であたしを見つめた。
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