SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


"バチッ………バチバチバチッ!"


……っ!!

空間に裂け目のようなものができる。


"バチバチ、ズズッ……"


伯耆坊が、裂け目から何かを引っぱり出している……


"ズズズ……ズサッ……!!"


「……っ!」


その、ナニカが地面にすべり落ちた。


「……っ! ここはっ! あ、あなたは一体っ!」


それは人間の男だった。

男はひどく動揺し、すぐさま伯耆坊と距離を取る。

白いシャツがよく似合う、メガネをかけたきれいな顔の男だ。


「 まあまあ、落ちつけって~ 」
< 38 / 795 >

この作品をシェア

pagetop