SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
"ドカッ! バキッ! ゴスッ!"
今日もあたしは、男たちに殴られる。
薬漬けとなった体は、幸いにも痛みさえ分からない程、麻痺していた。
目の前には二人の男、カイドウとコブ。
「 本当に殺すよ? 人質」
長身の男、カイドウがあたしの額に人差し指をあてる。
すると、頭の中が白くなり、火花のような閃光に視界が少しチカチカした。
「 ! 」
瞬間ハッと息をのむ。
いつの間にか、カイドウとコブ以外の別の二人が立っている。
見知った顔……
二人とも、あたしに助けを求めてる……
「 ヒヒッ、」
カイドウは二本の前歯を見せながら薄ら笑いを浮かべた。
痩せのカイドウが笑うと、頬骨が大きく出っ張った。
"バキッ!!"