SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
"……ワ〜ン……ワ〜ン……"
近付く者には容赦なく強い電磁波が浴びせられる。
「「「……ウ゛エエッ!!」」」
うずくまり、扇龍メンバーが悶絶した。
「ヒヒャハハハッ!!」
“バシッ! ドカッバキッゴッ!
次男坊が無抵抗のあたしの体に次々拳を打ち込んでくる。
——バゴッ!
喉元を蹴られ、あたしは仰向けに倒された。
「「「……ッ……!!」」」
「「「……美空っ……!!」」」
「へへッ」
次男坊が不敵に笑う。その直後、
————ザンッ!!
ナイフがあたしに突き刺さった。
「「「「……ッッ……!!」」」」
左手が床に固定される。
骨を砕き、ナイフは完全にあたしの手のひらを貫通していた。
すぐに血だまりが出来てゆく……
「「「——美空ッ……!!」」」
「恐怖で声も出ねえってか⁉︎」
——グッ!
刺さったナイフの柄をつかみ、男はぐりぐり傷口を広げる。
……ああ、
あたしの左手、もうボロボロ……
「……なんだお前、つまんねえ女……」
ゆらり次男坊が立ち上がる。
「もっと泣け! 叫べ! 苦しめ! ああ⁉︎」
怒りながらドカドカあたしを蹴りまくった。
「「「……ッッ……」」」
「「「……やめろ……」」」
「「「……もう、やめてくれ……」」」
耳に届く悲痛な声……
「……フン!」
次男坊は少し離れて首を回した。