SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

「切り刻んでやる」


靴底のナイフが飛び出す。
もちろん手にもナイフが光る。


——ダッ……


「……うらあッ!!」


助走をつけた次男坊があたしの上に飛びかかった。


——シャアアアッ……!


宙を切り裂き迫る刃……


「……っ! 」


————その時、



" ドッガアアア————ンッ!!"


……!


すごい爆撃音とともに、眩しい閃光が辺りを包み、視界がすべて白くなった。


「「「……っ……」」」
「「「……なんだっ……」」」


"……ゴゴ、シュウ……ウウ……"


光が薄れ、だんだん視界が元へ戻る……


……? ……えっ……


「「「……っっ……!!」」」
「「「……ッッ……!!」」」


いつの間にか、また別の集団がアジトに入り込んでいた。


「……っ! 誰だゴラアッ!!」


衝撃で遠くまで吹っ飛ばされた次男坊が膝をついて叫んでる。

すると、


「ブハハハハハハッ!!」


野太く響く男の声……


「誰だはないだろう」


集団の後方から一人がこっちへ歩いてきた。


……? ……あれは……



「貴様もよく知っとるはずだッ! この鬼頭会の組長、鬼頭玉三郎をなッ!!」


「……ッ!」


……やっぱり玉ちゃんだ。


すぐ近くに柳と小暮の姿も見える。


……なんで……


——ザワザワ……!


「「「……鬼頭会……⁉︎」」」
「「「……鬼頭会だと……!!」」」


妙にみんなが動揺してる。


……きとう、かい?


あたしは玉ちゃんたちをじっと見つめた。
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