SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
……それに、なに……
体の内側から溢れ出してくるナニカ。
ブレない、揺るがないものが体の真ん中にあって、その周りを根拠のない、自信のようなものがうごめいている……
「 ようやく目覚めたようだな。俺はここの指揮官、一ノ瀬徹也だ 」
少し白髪の混じった険しい顔の男が近づく。
男からタバコのにおいと、若干の張り詰めた緊張感のようなものを感じた。
複雑な感情が伝わってくる……
痛くて、重くて、激しい……
「 ハア~イ♪ ナイスチュ~ミ~チュ~!」
いきなり黒人の男が現れて、体がビクッと反応する。
……あ、ちがう
……この人、日本人だ。
「 お加減イカガ? 心配するな? 傷の方はオレがちゃ~んと治しといてやったからな? まったく、大変だったんだぞお、治すの~ 」
男は丸めた手をあごにあててニッと微笑んだ。