SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
……いつも、こう。
カイドウはあたしの記憶を操る。
……そしてコブ。
この、太った金髪の男も、二人とも、ただの男じゃない。
特殊能力を操る、PSY(超能力)の保有者だった。
……そして、あたしも。
「おまえの目えがムカつくんだよなあ! オラッ! これで終わりだと思うなよ!」
——ガゴッ!!
ひときわ大きな音とともに、あたしは固いコンクリート壁に衝突する。
そのままズルリ、床にすべり落ちた……
「 あら~? もうギブなのお? CKー1」
にやけた顔でコブが見下ろす。
コイツはいつも加減を知らない……
コブは“ガラン” と持っていた鉄パイプを手放すと、
——ゴギュッ!!
容赦なくあたしの体を踏みつけた。
"メキメキッ……ボキッ!"
「 ! 」
骨が折れたのが分かる。
独特の感覚が一瞬あたしの呼吸を止めた。