SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
消化出来ないものを早くなんとかしたい、苛立ちと焦りの気持ちが伝わってくる。
さっき感じた複雑な思いはBlue dollへの憎悪なのかもしれない。
あたしもジッと一ノ瀬を見据えた。
そして、知っている事を話そうと思った。でも、
「……Blue 、ど、doll、……は、……殺、 した。
……あ、あ、 た、し、……そこ、 で……
……おと、こ、 カイ、ドウ、コブが……
……地下……に、 黒いた、 た、まが……
……ずっと、15、ほ、ほ、ほうき、ぼ ……」
「……おい待てっ! もう少しちゃんと説明出来ないのか 」
一ノ瀬に止められ、あたしは初めて自分がうまく喋れていない事に気がついた。
「……あ、 あ~……」
……なんで。
思ってる事が、うまく言葉になって出てこない。
「……く、 く、 黒い……ほ、うきぼ……
……ひ、かり、 光の……たま、 が……
……て、て、 天狗……で、 し、るし……
……レム……ゆう、ごう……力、……が……
……あ、あ、 ……あた、……し、 あ…… 」
……どうしよう。
あたしは困って首を少し傾けた。
すると一樹がベッドに腰を下ろし、
あたしを……抱きしめた。