SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
"ジワ〜ッ!!"
熱く、強く、しるしが導く。
「…………」
……そうか……
……そうだったんだ……
分からなかった事が分かる。そして、
やっとしるしの意図が分かる。
あたしは……
あたしの役目は……
「まだ終わってなんかなかったんだ!」
——グワ!
内側からどんどん力が溢れてくる。
今までに感じた事のないパワー。
「「「「……っっ……」」」」
「……っ……み、美空っ⁉︎」
「なにか雰囲気が違って見えるのだがっ……」
動揺した様子でみんなが遠巻きに見つめてる。
「玉ちゃん、凌駕」
あたしは二人に向き合った。
「あたし今分かった。二人の言う通り。あたしが行っても解決しない」
「「……⁉︎」」
「奏太も頑固。あたしの言うこと絶対聞かない。最後までケジメつけたがる。 ……でも、このままじゃ連れて行けなくなる。会わせるの約束、守れなくなるんだ」
「「……⁉︎」」
「だから言うこと聞くやつ必要だ。連れて行けないなら、今からあたしが持ってくる」
「「……??」」
「あの男、まだ殺しはしないはず。すぐに行って戻って来るから二人は奏太を見張ってて」
「……待て、」
「どこへ行くというのだ⁉︎」
「イギリス。今から本当のアニキを連れてくる」
「イギリス?」
「本当のアニキ?」
首をかしげるみんなの前、あたしは意識を集中する。
脳裏に浮かぶ景色へと……
————シュンッ!!
「「「「……っっ……」」」」
瞬間移動してみせた。