SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

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——シュンッ！！


「……んっ、」


突然のまぶしい光に目がくらむ。

さっきまで夜だったのに、イギリスはまだ昼間だった。


「……んん、」


目を閉じながら日本とは違う、イギリスの空気を感じ取る……

ネットリと、生温かくて、血なま臭い……


……？


「——えっ⁉︎」


目を開けた途端ギョッとする。


……なんで……


……どうして……


誰かがあたしを貫いている。

いや、ちがう……

あたしが誰かの体を貫いているのだ。


「……⁉︎」


すごく大きな体……

これは、筋肉？

尋常じゃないほど盛り上がった筋肉が、まるで木の根っこみたいに体中に張り巡らされている。

あたしの体はこの男の中に埋まったまま、腹部から上半身だけが飛び出している。


「……ごめんっ！　大丈夫っ⁉︎」


「…………」


何も返事はない。


「……どうしよう……」


確認しようにも筋肉すぎて顔が見えない。

心臓の音も聞こえないし……

もしかして……死んじゃった？

すると、


「兄者っ！」


目の前にちっちゃい男が現れる。


「……貴様アァァァ！」


……！

すぐに攻撃を仕掛けてきた。


「……えっ、」


……こいつ、能力者……？


鉛に変化した男の手足があたしを狙い打ってくる。