SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
"ギュンッ……ズババババッ!!"
凄まじいスピードと攻撃力。
能力者と闘うなんてたぶんあたしは初めてだけど……
復活したしるしの前、あたしは攻撃を見切ってしまう。
「……らあァァァ!!」
"ヒュン、ガッ……ドドドドッ!!"
……えっと……
どうでもいいけど、拳をかわす度に筋肉男に鉛が食い込んでブチブチとスジが切れていくけど……
「貴様アッ! 兄者から離れろッ!」
「離れたいけど抜けないんだ!」
"ズバババ! ドド! ズババババ!"
ちっちゃい男の攻撃は続く。
「ごめん! あたしが悪かった!」
「黙れッ! 離れろクソアマァァ!!」
「悪かったって! でも本当に体が抜けないんだ!」
「ザコがァァァ!!」
"ズドドド! ベキ! ズババババッ!"
……もう! これじゃあキリがない!
仕方なくあたしも反撃を開始する。ところが、
“ チュドオオオォォ————ンッ!!”
「……⁉︎」
思いがけずあたしの手から砲弾が飛び出し、ちっちゃい男の両手が吹っ飛ぶ。
「……ぐがああッッ!!」
「ごめんっ! だいじょう——」
“ ぶ ” で今度は口から弾丸が……
“ブババババ! ビリビリビリッ!!”
電気のような弾丸。
それが熱を放ち、男を体の中から焼いていく……
“ジュウウウゥゥゥッ……!!”
「ぎゃあああああッ!!」
「ごめんっ! あたし力のコントロールがっ!」
「……ッッ……!!」
えび反りになってもがいた後、男はバタッと地面に伏せた。