SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
——シン……
「…………」
……えっ⁉︎
……あたし……
……あたしっ……
「どうしようっ! あたしっ……人を殺してしまったっ!」
あたしが……人を……
あまりの出来事に頭の中が真っ白になる。
すると、
——ザザッ!
背後から聞こえる複数の足音。
すぐにあたしは取り囲まれた……
「「「「……っっ……⁉︎」」」」
カラフルな色の防護服集団。
目が合った途端、その人物たちの顔が引きつる。
……あ。
そこにはイギリス版D.S.P、自然現象を操る、華麗なるフェノメナ軍団の姿があった。
「「「「……っっ……⁉︎」」」」
あたしのこの姿にみんな言葉を失ったまま……
そこへ、
「——美空っ⁉︎」
遅れて一人が駆けつけた。
……!
「……いつき……」
それはフェノメナに合流している一樹だった。
「……っ! 何故こんな事に! 一体どうしたと言うのです!」
訳が分からないという風に一樹も目を見開いている。
「どうしよう一樹! しるしが! 瞬間移動が体の中で! コントロール出来なくて! あたし人を殺してしまった!」
筋肉男に埋まったまま、叫ぶようにあたしは言った。
「……っ、」
「ごめん、あたし人殺し。とってもとっても悪いやつだ……」
すると、
"パチパチパチパチ!"
どこからともなく拍手が起こる。
「グッジョブ!」
「グッジョブ、ミク!」
聞き慣れない言葉と共に風がぐるぐる体に巻きつき、あたしの体を引っ張りあげた。
——ドサッ、
ようやく筋肉男と離れられる。